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松江~安来〜倉敷 美術館巡り [日本]

2015年9月4日(金)晴

今回の旅のテーマは、ずばり「美」です。
3つの美術館を巡る旅です。

新大阪から「こだま」で岡山まで、特急「やくも」に乗り換えて、4時間あまりかけて松江に到着。
今回の旅は弥次喜多道中なので、列車の中も楽しいです。
今年は秋雨の訪れが早く、また台風も多くて天気が心配でしたが、なんとか晴れてくれました。

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まずは最初の美術館、松江県立美術館を訪れます。
企画展とコレクション展を合わせての入場料は¥1,150です。
企画展は、「ムルロ工房と20世紀の巨匠たち―パリが愛したリトグラフ」 が開催されていました。
次回の企画展は、「伊藤若冲と京の美術―細見コレクションの精華」です。こっちのほうが、よかったなと思いつつ、絵画を楽しみます。

企画展より、コレクション展のほうが面白かったです。

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横山大観の「宍道湖真景図」です。
コレクション展では、何点かの作品は撮影OKです。日本の美術館では珍しいです。
横山大観は山岡米華と共に明治43年8月20日に松江にやってきて、約2週間滞在していました。
この滞在中に描かれた作品です。

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ロダンの「ヴィクトル・ユゴーのモニュメント」です。
フランスの大文豪ヴィクトル・ユゴーの死に際して、フランス政府は、その記念像をパンテオン(偉人廟)に建立することとし、1889年ロダンにこの制作を依頼して出来た作品です。
ユゴーが亡命していたガーンジー島の岩場に座りその背後から2つの精霊がインスピレーションを吹きかけるという神格化した像として表しています。

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うねうねとした動きと穴の開いた見えないかたちが一緒になっているところがミソになっているそうです。

この美術館に来た一番の目的は夕日を眺めることです。
一説には日本一の夕日との呼び声もあるほどです。
屋外には彫刻作品があります。

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籔内佐斗司 作 「宍道湖うさぎ」です。
12羽のうさぎがぴょんぴょん跳びはね、最後に宍道湖を眺めています。
よく見るとこのうさぎは三種類の形しかありません。後ろ足で蹴っているポーズと、
前足で着地しているだけの二種類の形を交互に配置させて動きをだしています。
前から2番目のうさぎを触ると幸せが訪れると言われていいます。
西の方向に向かって優しく撫でると効果がアップするそうです。


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うさぎを眺めて遊んでいるうちに、だんだんと太陽が沈んできました。
ちょっと雲が多いのが玉に瑕ですが、綺麗な夕日です。宍道湖うさぎを入れて写真を撮ってみました。

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夕暮れのショーを眺めて、島根県立美術館とお別れです。

今夜の宿は、駅から一番近い「ホテル・アルファ-ワン第2松江」にしました。
何の変哲もない、ビジネスホテルですが、寝るには充分です。
夕食はついていないので、ホテル近くの居酒屋に行きました。

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王録飲み比べとゆうのがあったので、それにしました。
島根のお酒です。地元の物を食べて、地元のお酒を飲むのが、私の旅の流儀です。

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日本海の幸をいただきます。
のどぐろの刺身は脂がのっていて、美味しいです。

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ドギの丸干しです。
ドギは、ノロゲンゲとゆう深海魚です。
水分も多く食べずらいのですが干物にすれば、 ドギの持っている塩分(深層水)と魚の旨みが絶妙で酒好きにはこたえられない干物です。

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ここの居酒屋は、箸置きが煮干になっていました。
最後に煮干も頂きました。
島根のお酒と珍しい物を食べられて幸せです。

2015年9月5日(土)曇

朝食は、ホテルで和洋バイキングを頂きました。
チェックアウトを済ませ、安来に移動です。

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安来駅から無料のシャトルバスに乗って、足立美術館に向かいます。
駅前には安来らしく、どじょうすくいの像がありました。
足立美術館を訪れるのは20年振りくらいです。

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足立美術館は、地元出身の実業家・足立全康(あだちぜんこうが、1970年(昭和45年)、71歳のときに開館した美術館です。今年、開館45周年に当たります。質量ともに日本一として知られる大観の作品は総数130点にのぼり、大観美術館との異名をとっています。
入場料は、¥2,300です。

土日は人が多いので、帰りのシャトルバスの整理券をもらっておかないといけないのですが、忘れて入場してしまいましたが、友達に言われて取りにいきました。一人やったら帰りのシャトルバスに乗れなかったかもしれません。感謝です。

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足立全康の像です。

足立美術館のもう一つの特色は、その広大な日本庭園です。
米国の日本庭園専門雑誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』が行っている日本庭園ランキングでは、初回の2003年から2014年まで、12年連続で庭園日本一に選出されています。

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枯山水庭です。
日本庭園における造園技法のひとつである借景の手法が採られ、彼方の山や木々までも取り込んで織り成す造形美は秀逸です。一つの庭に見えますが、奥の山と手前の庭の間には道路が3本通っていて、民家もあるのですが、全く分かりません。庭の解説もあるので、解説を聞くとより庭の素晴らしさが伝わってきます。
左側の立石は険しい山をイメージし、そこから流れる滝水がやがて大河となる、雄大な趣を表しています。

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何も言葉はいらないです。

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池庭です。
周囲との調和を考え、新しい感覚と伝統的手法を用いて造られた庭園です。

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白砂青松庭です。
横山大観の名作「白砂青松」をイメージして造られた庭園です。
白砂の丘陵には、右に黒松、左に赤松を配し、対照的な長和美を生み出しています。

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「庭園もまた一幅の絵画である」という全康の言葉通り、絵画のように美しい庭園が掛軸のようになっている、生の掛軸です。

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こちらは、生の衝立です。
この日は土曜日で人が多かったですが、団体客が過ぎたところで人のいない写真が撮れました。ラッキーです。

庭を眺め終えると、2階へ。
2階には、絵画作品が並んでいます。
開館45周年を迎え、これを記念して、日本画に感動!ベストセレクション展〔後期〕が開催されていました。

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横山大観の「紅葉」です。
自然の紅葉には早いので、絵画で紅葉を楽しみます。
真紅の紅葉に、群青の流水と白金泥の漣を加え、秋の清冽な自然を描き出しています。
しゃがんで眺め上げると、キラキラを光って見えます。
学芸員による作品解説もありますので、より楽しく作品を鑑賞できます。

庭園を眺め写真を撮り、絵画を眺め美を堪能し、コーヒーを飲みながら庭園を眺めと、贅沢な時間を過ごしました。足立美術館、素晴らしいですが、一つ食べる物の種類が少ないのが残念でした。
楽しい時の経つのは早いもので、シャトルバスの出発時間が迫ってきて、足立美術館を後にしました。

安来駅まで戻ってきて、特急やくもで倉敷まで移動です。
今日のお宿は、倉敷ロイヤルアートホテルです。
元、日航ホテルだったところです。
一流ホテルなので、荷物を部屋まで運んでくれますが、みすぼらしい恰好をしているので、気恥ずかしいです。貧乏人なので一流の扱いをされると戸惑ってしまいます。

荷物を置いて、夕闇の倉敷を散策です。
夜間ライトアップされていると聞いていたのですが、ライトアップされている建物は少なくて、ちょっと残念でした。

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夜の大原美術館です。

散策を済ませて、夕食はホテル内のレストランです。
「倉敷小町会席」旬の食材を厳選した山海グルメ、とゆうものにしました。
お酒は、奇跡の酒とゆうのがあったので、それにしました。

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冬瓜と穴子の博多 穂紫蘇です。

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太刀魚幽庵焼き 茗荷甘酢漬けです。

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蝦蛄絹田巻き うざくゼリー寄せです。

料理は、あんまり期待していなかったのですが、予想を裏切ってくれて、手が込んでいてとっても美味しかったです。奇跡の酒も美味しく、楽しい酒宴となりました。

2015年9月6日(日)雨後曇

今日は朝から、残念ながら雨です。
天気予報を見ても、降水確率100%です。
予約の時間の関係で、ホテルで慌ただしい和洋バイキング朝食をいただいて出発。

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朝の大原美術館です。
今回の旅のメインです。
美術館が開館する前に、モーニングツアーとゆうものが開催されていて、それに参加する為に、この日程にしました。8時から9時の1時間、学芸員が解説を聴きながら鑑賞します。入場料は、¥2,000です。
この日は山陽放送の取材が入っていました。
インタビューを受けましたが、大阪では放送がないので見られません。残念。

大原美術館は、倉敷の実業家大原孫三郎(1880年–1943年)が、自身がパトロンとして援助していた洋画家児島虎次郎(1881年–1929年)に託して収集した西洋美術、エジプト・中近東美術、中国美術などを展示するため、1930年に開館した。西洋美術、近代美術を展示する美術館としては日本最初のものです。
とゆうような、大原美術館の成り立ちや、作品の解説を聴きながら楽しみます。

大原美術館を訪れるのは31年ぶり2度目ですが、作品にあわせて、美術館の大きさが決められたとか、知らないことがいっぱいで、興味深いです。

現代美術について、それまでの絵画手法からの「開放」だとゆう説明が面白かったです。
どこに美の主眼を置くかによって、作品とゆうのはガラッと変わるんやなぁと感心しました。

1時間のモーニングツアーが終わって、雨が激しくなってきていましたし、そのまま残ってもいええよとゆうてもらえたので、逆周りでもう一度作品を鑑賞していきます。
ゆっくりと気に入った作品を鑑賞できて、よかったです。

雨が小振りになったところで、いったんホテルに戻ってチェクアウト。チェックアウトが12時なのも嬉しいです。

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再び美観地区に戻ってきましたが、雨では写真も撮られへんなぁと思っていたら、ちょっと止み間があって写真も撮れました。
美観地区の真ん中あたりにある中橋です。雨にも関わらず観光客が多いです。

再び雨が降ってきたので、早目の昼食に。
おんなじ事を考えるのが人間で、店は満員でした。

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秋の散歩道御膳とゆうのにしました。
1日限定50食となっていました。12種類の料理が食べられるのがいいです。
豚 切り干し 山椒煮とゆうのが、美味しかったです。切り干しに山椒が合うとは発見でした。

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岡山の地ビール「独歩」です。
ピルスナーで、スッキリとした味わいで美味しいです。

食事を済ませて外に出たら、雨が止んでいました。
降水確率100%とゆうてたのに、むっちゃラッキーです。
観光ボランティアガイドを利用して散策しようと思っていたのですが、待ち合わせ場所を間違えて、アセアセと移動して、なんとか出発時間に間に合いました。

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美観地区の中に証券会社がありました。
その会社が黒板に株式近況を書いています。
デジタルでスピードが求められる証券会社で、板書とゆうのが微笑ましいです。

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大原美術館の正面右側になりますが、昔の窓の跡です。
大原美術館が出来た頃は、美術作品とゆうのは自然光の中で見るのがええとされていたそうで、ですから採光の為の窓でもあったそうです。今では考えられないことで、よう作品が痛めへんかったなぁと思います。
ガイドさんを通して観光すると、そんな知らなかった歴史を知る事ができて、興味深いです。

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大原美術館の中庭にある睡蓮です。
これは、2000年の創立70周年に、フランスの画家であるクロード・モネのジヴェル二ーの自宅庭園から株分けされ、移植したものです。まさに本物のモネの睡蓮です。

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今橋です。
大原美術館前の倉敷川に架かる橋で大正15年(1926年)に、皇太子であった昭和天皇訪問に合わせ建造されました。児島虎次郎氏デザインで、大原孫三郎氏の干支にちなんで20体の竜が彫られています。天皇にあわせて竜の指は5本あります。

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有隣荘です。
1928年(昭和3年)に 大原孫三郎が、病弱な妻を気遣い「家族の為に落ち着いた住まいを」と建設されました。土台の石に合わせて、板塀を削っているのが、なんとも手が込んでいます。

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中橋まで戻ってきました。
横から見ると、一枚岩で出来た橋だとゆうのが分かります。
この橋は約10mの川をまたいでいますが、その桁の長さは、現存する日本の石桁橋の中で最長を誇っています。

観光ボランテイアガイドは、まだまだ続くのですが、帰りの列車の時間が迫っていて、美観地区を後にし帰路につきました。

足立全康といい、大原孫三郎といい、ええお金の使い方をしていますね。
お金持ちには、こうあって欲しいとゆう理想です。私もお金持ちになれば・・・。
美を堪能できた中身の濃い旅となりました。

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